zhang_r

嫌いのなのは経済学ではなく、「主流派」と呼ばれる経済学者だ。彼らの何が嫌いかというと、「『経済学』を知っているだけなのに、『経済』を知っているような顔をすること」なのである。 ・・・経済学はイコール経済ではない。経済的現象は、政治過程、社会意識、文化的条件、自然環境・・・のなかで決まる。「社会経済学」「政治経済学」はその当たり前のことから出発する。市場という制度が歴史の中でいかに形成され、市場のメカニズムがどう政治社会を変容させ、そのことが市場制度そのものを再構成していく・・・というダイナミックな動きを記述する。「経済を知る」というのはそういうことであって、金融や財政の仕組みをしっていれば経済を知っている、などということにはならない。 もっとも経済学者自身も「あくまで道具」「モデルに過ぎない」とか言うんだけど、・・・だったら何であんなに「上から目線」なんだろうか。「あくまで経済現象を一つの観点から説明しただけです」という断り書きが一行あるだけで、ぜんぜん違うんだけどなあ。見たことがないどころか、「これを知らないで経済を語るなヴォケ!!」みたいなもの(をソフトな文体にしただけ)ばっかり。 ・・・円高やデフレがよくない、というのはそりゃあわかる。だけど、「ものが安くなって便利になった」という一般消費者のリアリティを見ないで、「経済」を語るというのは、いったいどういうことなんだという感じがするわけだ。 主流派経済学者は、一般消費者のリアリティを「経済を知らない」と言う。しかし、「経済」が個々人の生活に密着しているものであるのなら、知らないとは言えないんじゃないか。逆に、一般消費者にリアリティの乏しい「経済成長」「景気回復」を、無邪気に持ち上げたりする。そういうことをやっているから、経済学者に誰も見向きもしなくなるわけだ。